2011.12/26 [Mon]
心残りのないお葬儀を出すために(またしても長文です)
前の記事をアップしてほけっとしていたら、すぐにNZのRon(友人)からSkypeコンタクトがありました。最初はSMSでチャットしていたのですが、面倒になり大丈夫かな〜と思いつつ(結構外国って、ビデオやスピーカーが壊れていたりするもので…)コールしたところ、無事つながりました。NZってラインコンディションがあまり良くない気がするのですが、今日はものすごくクリアー。お互いにメリークリスマスのご挨拶のあと、母のことなど…ちょうどRonの娘さんも来ていたので、久しぶりに話をして大学卒業のお祝いとメリークリスマスもお互いに。SMSでもう埋葬したの?と来てきたので、まだ家に置いてあってしばらく埋葬するつもりがないといったら、Ronはお父さんの遺骨を分骨したのを持っているといって、ボックスを見せてくれました。
お葬儀の文化ってホント国によって様々です。Ronのお父さん(もともとのホストファザー)が亡くなったとき、私に国際電話で知らせてくれて「すぐにチケットをとって行く!」といったのですけれど「こないでも、一緒に覚えていてくれればそれでよいから…」ということで、泣きながらWordでメッセージカードを作って添付で送ったのでした。無宗教式でしたけれど、たくさんの子供や孫、ひ孫まで集まって代わる代わるメッセージを話して(私のこともちゃんと司会者が「日本からもあつまってくださり…」と紹介してくれていました)Ronがかわりに私のメッセージを式で読んで棺に収めてくれました。ちょうどお誕生日の4日まえになくなったので、棺をダイニングルームにおいてお別れして、お誕生日当日に故人が好きだった音楽を使ったお葬式をしたあと、皆でもちより、故人のお誕生日パーティーをしたとか…Ronがあとからその時のビデオと葬儀のテープをCDにしてていだだきましたから、よく覚えています。日本ではありえない形ですが、ファミリーが成人してもみんな仲良く、近くでくらしていて私がNZにいっても代わる代わる合いにきてくれたり、お招きいただいたりする一家で、クリスマスなど皆で賑やかに集まっていますし、暖かい人柄だったホストファザーにふさわしい良い送り方だと思いました。
Ronが数年前来日したとき「日本でどこに行きたい?」と聞いてまず彼がいったのが「お母さんに会いたいけど、行ってもいい?」と。それでRonは生前の母にあっています。PCはモバイルですから、祭壇と遺影を見せるためにその前でしゃべっていたところ、Ronは「Mumに綺麗な祭壇をみせたいから、ちょっと動かないでスナップショットを撮らせて」としっかりショットをとっていました。世の中便利になったものです。なんだかRonにまで来てもらった感じ。日本のお骨箱って海外のそれに比べると大きくて立派です(焼き方が違うからかな?NZは散骨もそのままできるみたいですし)。なにはともあれ、心がほっこりほっとしました。
ほっこりするといえば、葬儀をしてくださった「あおい式典」黒江社長からもSkypeのちょっと前に電話があって、「ちっちゃなかすみ草だけど持っていって傍に飾りたいから、年末の予定はどう?」と電話。母の遺骨と遺影の前でAyaさんも交えて皆でお話しようと。黒江社長のお弟子さん?東京などで何人か独立していらっしゃるようですが、横浜でも中区は関連会社の協力が必要(とはいえ、黒江社長は埼玉の鶴ヶ島から飛んで来て見積の段階から同席してくださって、高額にならないよう配慮してくださったり祭壇のデザインを考えて指示して、葬儀から火葬まで実際に黒江社長がすべて付き添ってディレクトしてくださったのです)といった関係で「あおい式典」で良いな〜と思っていた骨壷とちがってしまった(それとて一応真っ白ではなく花柄なのですけど…)のを密かに気にしていたら、それも気になってて持っていって納めかえるつもりだったとのことでした。嬉しいですね…すっかりファンです。仕事柄いつもいつもおご厄介になれないのが残念ですが、御子息が継承するつもりでいらっしゃるとのこと(我が家にもいらしてくださいましたが、とっても穏やかな雰囲気の方でした)、私の時まで安心です。最近は火葬だけという格安プランも葬儀社各社から出てきていて、葬儀の価格破壊を宣言した黒江社長のあとを各社が追従している感じすらありますけれども、最初から最後まで(というかその後の遺族のことまで含めて)心をこめて心配のない形で送ってあげようという暖かい志を持った「熱血派おくりびと」黒江社長にかなう人はいないかな?と。Ayaさん自身納棺のとき涙ぽろぽろだったのですが、社長も一緒に泣いて下さっていたのしっかり見届けて後で私に報告してくれました。私は悲しくて悲しくてそれどころではなかったけれど、それをあとから聞かされてとても嬉しかったです…そんな葬儀屋さんってあまりいないのではないでしょうか?志あるかたに送られて母も幸せだったと思います。
お葬儀って言うまでもなくそれなりにお金が掛かります。地方にもよりましょうが、昔は200-300万なんて結構普通でした。世界で一番、葬儀にお金をかけている国が日本だそうで…僧職へのお礼とか戒名料とか除いても、最近の統計で120-130万円という統計(統計により若干異なりますが)。変な比較かもしれませんが、そこそこの結婚式ならできそうな金額。結婚式ならば「ちょっとここは削って、お色直しを少なくしよう」とか、「お料理はこのコースで」って冷静かつシビアに考えられるのに、お葬式になると動転と悲しみのなかで頭もいっぱいで「おまかせします」って言ってしまいがちなのも危険なのだと思います。我が家の場合は、葬儀〜火葬、あと飾り、食事、神父様へのお礼すべていれて、最近の統計の半分位?それで心こめて立派に母を送ることができました。本来あるべき黒江社長&御子息の県外出張費などは請求せず、棺もアップグレードしたものにしていただいたり、黒江社長も列席するつもりで、多少?いえかなり?お友達割引をしていただいたのでは?など思ったりしますが…
我が家が心残りないHappyな?お葬儀を出せたのには少し理由があったように思います。年末の忙しいときに縁起でもないと怒られるかもしれませんが、暇ができたときにでもご参考になさってください(内容が内容だけに、お正月前にアップしようと努力しております)。
①故人が洗礼をうけてくれていてキリスト教式で行えたこと(戒名料は不要、我が家が包めた神父様へのお礼は僧職の数分の1くらい?です。それでも長年の介護をしっていた神父様、「大丈夫なの?」とはじめ受け取るのを躊躇っていてくださいました)。そんなふうに思ってくださっている神父様に送っていただいたことを改めて感謝しました。余談ですが、ご近所でお母様を家族葬で送られた方から「戒名は日本独自のもの」と伺いました。
②以前から「あおい式典」黒江社長と知り合っていて(はじめてお会いしたとき、たしか関内で4時まで話して飲んだ記憶)、母がどんな人がらか、私にとってどれほど素晴らしい母だったか、などなどいろんなことを話して、こんなお葬儀ができたら良いなぁ〜というイメージが事前にきちんと伝わっていたこと。こんなふうにしたら良いよというアドバイスもいただいていたこと。
③父方親戚が全員高齢化していて、弔問にこられないかわり、なれないキリスト教式にたいしても口を挟まないで自由にすることを許してくれたこと。
④家で出せたこと。
そこでつくづく思ったのは、葬儀について冷静に考えられる時に事前にきちんと準備しておくことの大事さでした。縁起でもない!とか、不謹慎だ!などと言わずに、特に介護をしている方はもちろん、そろっと中高年にさしかかったら自分自身についても色々と考え周りとも相談しておくのが良いと思います。さらに兄弟姉妹がいらっしゃる場合は葬儀の形式、花の数など分担などでもめないように、できるだけ早く話し合っておくことをおすすめしたいです。幸か不幸か私は全て一馬力(+Ayaさん)ですから、もめることはなかったですけれども…
例えば故人は小さな葬儀を望んで近親者だけで…と遺言していても、残された家族や親族はその後の付き合いや、周りの目線を気にして「盛大にしたい」というときもあるでしょうし、長年介護でつかれはてていて、そっと静かに最低限で見送りたいと喪主が願っていても「それじゃぁ寂しすぎる」と親族から横槍がはいったり、故人は盛大に見送って欲しいと思っていても、遺族の希望はそうではなったり、日頃顔をあわせていない(そしてお互いに色々な想いがある)親戚が一同に会するのですから、葬儀の場での感情的行き違いとかしこりはもちろん、時には喧嘩という話すら聞いたことがあります。
前置きが長くなりました(まだまだ頭がしゃんとしておりません)けれど、やっと心残りない葬儀のコツという本題。我が家の心のこもったお葬儀の費用、葬儀〜火葬とあと飾り+お花代(喪主&弔問にこられなかった親戚分)+2日分の飲食代+神父さまのお礼まで含め、全国平均の半分以下?の費用だったかと思います。どうしてそれでご近所の方に感心されるような正式な良い葬儀ができたか?ということなのですが…これには少しコツというか留意点があるので忘れないうちに以下に書いておきたいと思います。
1.故人の意向をなによりも大切にして、見栄や「世間並み(って何?という感じですが、これは絶対に葬儀社に言ってはいけない言葉だそうです)」にこだわらず、ゆっくりと穏やかに故人を偲び、本当に大切に思ってくれる人に、喜んでご出席いただいて満足してかえっていただけるような配慮を一番にしたら良いのではないかと思います。そのためにはやはり事前の話し合いがどうしても必要です。特に兄弟姉妹・親戚など関係者が多ければ多いほど、もめる危険性がありますから、事前に話し合いをしておいたほうが良いように思います。ある程度プランが決まったら葬儀社と相談することも良いかもしれません。本当は、故人が自分で「こんなふうにして欲しい」ということを、身近な方や親戚に常日頃から言っておくとか、遺言に残すとかしておくと一番よいと思いますが(そうすれば、故人の意思ということで、周囲の方の理解が得やすくなります)高齢者の場合、なかなかそうはいきませんし、本人に聞くなんて酷ですし。
2.葬儀については、どうしても自分たちではできないところだけをきちんと見極めて、葬儀社に依頼しましょう。黒江社長は数社から見積をとることをブログですすめていらっしゃいますけれど、実際はそんなゆとりがないことも多々あるかと思います。今はインターネットで情報が得られることも多いですから、調べてみても良いでしょう。これも事前に相談しておけば、見積もとっておくことができるかと思います。いろんなパックもありますが、料金が不透明になりがちですから、あおい式典のように、個々に見積もってくださるところの方が良いと思います。何よりもそのほうが、故人らしさのあるお葬儀ができるように思います(個々にクリアーな見積もりがあれば、ここはこれに…といった細かな変更もお願いしやすいですし)。
3.斎場をつかう場合、葬儀社のものをつかうとどうしても高額になりがちです(たとえ無料といっても、諸経費がほかのものに乗せられていたり、別途請求されたりすることが多いため)。黒江社長から以前、公営の斎場だとかなりリーズナブルと伺いました。また火葬場に隣接していますから霊柩車で搬送しない分、費用を抑えることができるらしいです。我が家の場合は自宅でしましたが、ホームからの寝台車、霊柩車代はそれなりにかかりました。でも連れて帰ってきたかったのでよかったと思っています。霊柩車も色々な種類があるようですが、豪華な霊柩車が本当に必要かどうか?形にこだわるよりもむしろ心をこめて故人を送ることができるほうが大事だと思います(黒江社長のおかげで私の場合は無駄な費用はかけず、かつそれなりの形で心のこもった葬儀ができました)。ちなみに、火葬場に行くのって、本当はすごく嫌で悲しかったのですけれど、霊柩車のドライバーさん、とても聞き上手な方で私はずっと色々な話をしていました。泣いたり笑ったりしながらだったですが…プロだなぁ〜と思いました。私自身、精神保健・心理関係の専門資格を複数持っておりますが、彼にはすっかり脱帽。
4.これは2.3.とも関連するのですが、何が自分たちでできて、何はお願いしないとダメかという見極めが大事だと思います。
①我が家の場合は、返戻品については当日ではなくあとでゆっくり考えることにして、当日は親しい方々と母を偲ぶことを第一にしました。実はこれまで頂いて「いいなぁ」と思う返戻品が殆どなかったという経験もあるからですが。こうしたものをすぐに揃えるのは無理なので、葬儀社にお願いすることになるかと思いますけれど、よっぽど大規模なお葬儀でないかぎり、その日に返して(一定金額以上でなければ)それで終わりというのは合理的で手間が省けるとはいえ、個人的には寂しい感じがします。なによりも葬儀社のカタログから選ぶよりも、自分で選んだ方が選択肢が広いですし、故人の気持ちにそえるかも?とも。同じ金額をいただいた場合でも生前のお付き合いによってお返しする変わってくる可能性もありますし…今はインターネットでもしらべられますしネットで注文もできます(添状もお願いできます)。引き出物&返礼品をあつかうネットショップも沢山ありますから、故人のかわりに感謝の気持ちとともに「あの方にはこれがいいかも」と喪主が選ぶと、故人が喜ぶのではないかと思います。とはいえ、なかなか趣味が合わないこともあるので、難しいとは思いますが。私自身は、カタログギフトを考えております。カタログギフトっていただいても私自身注文を忘れたり、面倒をおかけしてしまうとは思うのですが、やはり好きなものをえらんでいただきたいですし。カタログギフトも今はいろいろあり品物や食料品だけではなく陶芸体験とか、エステとかまで入ったものもありますので(Ayaさんは「やりたいことがありすぎて選びきれないから何冊か欲しい〜」と希望)、葬儀社の選択肢に合わせるよりも、ちょっと時間と手間はかかりますけれど故人が希望するような形がよいなぁと…
②葬儀社の斎場だと指定業者がいて無理かもしれませんが、自宅でしたので好きな仕出し屋さんから注文することができました。何人いらしてくださるかわかりませんし、その場で召し上がる方と持ち帰られる方(田舎だと結構ありです)がわからなかったので、横浜で老舗&母とも行ったことのある仕出し&レストランの「相生」に盛り合わせのお料理とご飯の組み合わせで、2段のお弁当形式。2日とも同じお料理でした。もし足りなければAyaさんと私は食べなくてもよいと少なめの数を頼んだのですが、前夜式はぴったりの数、告別式は余ってしまった分を黒江社長にお持ち帰りいただいたのですが、帰社後さっそく「うまいっ!これ美味しいよ!」とお電話いただきました。「相生」は大きい仕出し屋さんなので当日にお願いできるという良さがあってお願いしたのですけれど、たしかに前よりも味がよくなっていた感じ(横浜で大きな会合などがあると、かなりの確率で「相生」のお弁当が出てきますし、法事などでも使われていますのでよく知って、前は「また相生?」という感じでちょっと心配だったのですけれど)。そのほかの形としては故人が好きだったレストランで精進落としというのもひとつの方法だと思います。斎場でのお食事ってあまり美味しい!って思ったことがない感じがしませんか?まぁ美味しいものを期待してゆくわけではないですし、関係によっては悲しくて味もろくにわからないときすらありますが、それでも、価格と質が見合っていないと感じます。我が家の父の時は家業もあり列席者数百人という大規模な社葬でしたが、斎場で食事は頼まず本葬のあとの精進落としは山下公園近くのホテル宴会場でしました(密葬はやはり自宅でしました)。1周忌に山手駅ちかくにある手作りのケーキ屋さんで“In Memory of 〜”というプレートの入ったメモリアルケーキを作って頂いてお渡ししたのですが、これもみなさまから喜ばれました。面倒だと思われるかもしれませんが、故人らしい形が一番亡くなった本人も参列された方もよろこんでくださるように思います。御通夜〜告別式まで何人いらして下さるかが読めないという状況での手配は大変です。以前、列席させて頂いて感心したのは、ある斎場でのお式。遺影が飾られた中央のすぐ後ろからメインがビュッフェ形式で並べられていて、壁際に飲み物やデザートが並んでいる形の「通夜振舞い」でした。あまり知らない方や久しぶりに合う方と同じテーブルで遠慮しながら分け合って食べるって結構気をつかうものですし、また体調や好みなどで、あまり食べられないものをすすめられてもこまります。その点で好きなものを好きなだけ遠慮なく食べていただけるスタイル…今でもちょっと心に残っています。ちなみにそのときテーブルには前菜とビールとソフトドリンクのみでした。
③最近は少子高齢化、家族単位の矮小化、お付き合いの変化などによって、故人が高齢の場合、参列者の数も限られてきます。我が家の場合、マイクロバスだと大きすぎますし、また神父さまの送迎や用足しにも使いたかったので、マイクロバスは不要という形でレンタカーを3日間借り切りました(駐車場は近所のコインパーキング利用)。高齢者になれば友人・知人も既に先立っていることが多いですし、また列席していただいても特に火葬場までいってくださる方の人数は限られています。10名くらいかそれ以下でしたら自家用車かレンタカーでも十分だと思います。駐車場もありますし車はあおい式典のかたが全て手配して、きちんと駐車&配車までしていただきました。
それにしても火葬場にゆくって嫌で納棺に続いて悲しかったです。でも、横浜市営南部斎場(スケジュール的に久保山が取れず…)とても綺麗でした。待合室をとるとかえって寂しいくらいの人数ですから、黒江社長のアドバイスでロビーで待たせていただいたのですけれど、ホテルのロビーのような立派な設備で十分でした(むしろ待合室みたいな方で待つ方がいやだったかも?)。持ってきたお菓子やお弁当もそこでゆっくりと話をしながらいただくことができましたし。私たちも少ないのですが、私たちの近くで一人でじっとお待ちになっていて呼ばれてゆくかたをAyaさんが見つけて「切ないだろうね…」ってポツリと気遣っていました。でもこれからはそうした時代なのだろうと思います。だからこそ、お葬儀のあり方も自分で考えておく必要がある時代なのではないでしょうか?白洲次郎のように「葬式不要、戒名不要」と言い切れる方はともかく…
by Hannah
お葬儀の文化ってホント国によって様々です。Ronのお父さん(もともとのホストファザー)が亡くなったとき、私に国際電話で知らせてくれて「すぐにチケットをとって行く!」といったのですけれど「こないでも、一緒に覚えていてくれればそれでよいから…」ということで、泣きながらWordでメッセージカードを作って添付で送ったのでした。無宗教式でしたけれど、たくさんの子供や孫、ひ孫まで集まって代わる代わるメッセージを話して(私のこともちゃんと司会者が「日本からもあつまってくださり…」と紹介してくれていました)Ronがかわりに私のメッセージを式で読んで棺に収めてくれました。ちょうどお誕生日の4日まえになくなったので、棺をダイニングルームにおいてお別れして、お誕生日当日に故人が好きだった音楽を使ったお葬式をしたあと、皆でもちより、故人のお誕生日パーティーをしたとか…Ronがあとからその時のビデオと葬儀のテープをCDにしてていだだきましたから、よく覚えています。日本ではありえない形ですが、ファミリーが成人してもみんな仲良く、近くでくらしていて私がNZにいっても代わる代わる合いにきてくれたり、お招きいただいたりする一家で、クリスマスなど皆で賑やかに集まっていますし、暖かい人柄だったホストファザーにふさわしい良い送り方だと思いました。
Ronが数年前来日したとき「日本でどこに行きたい?」と聞いてまず彼がいったのが「お母さんに会いたいけど、行ってもいい?」と。それでRonは生前の母にあっています。PCはモバイルですから、祭壇と遺影を見せるためにその前でしゃべっていたところ、Ronは「Mumに綺麗な祭壇をみせたいから、ちょっと動かないでスナップショットを撮らせて」としっかりショットをとっていました。世の中便利になったものです。なんだかRonにまで来てもらった感じ。日本のお骨箱って海外のそれに比べると大きくて立派です(焼き方が違うからかな?NZは散骨もそのままできるみたいですし)。なにはともあれ、心がほっこりほっとしました。
ほっこりするといえば、葬儀をしてくださった「あおい式典」黒江社長からもSkypeのちょっと前に電話があって、「ちっちゃなかすみ草だけど持っていって傍に飾りたいから、年末の予定はどう?」と電話。母の遺骨と遺影の前でAyaさんも交えて皆でお話しようと。黒江社長のお弟子さん?東京などで何人か独立していらっしゃるようですが、横浜でも中区は関連会社の協力が必要(とはいえ、黒江社長は埼玉の鶴ヶ島から飛んで来て見積の段階から同席してくださって、高額にならないよう配慮してくださったり祭壇のデザインを考えて指示して、葬儀から火葬まで実際に黒江社長がすべて付き添ってディレクトしてくださったのです)といった関係で「あおい式典」で良いな〜と思っていた骨壷とちがってしまった(それとて一応真っ白ではなく花柄なのですけど…)のを密かに気にしていたら、それも気になってて持っていって納めかえるつもりだったとのことでした。嬉しいですね…すっかりファンです。仕事柄いつもいつもおご厄介になれないのが残念ですが、御子息が継承するつもりでいらっしゃるとのこと(我が家にもいらしてくださいましたが、とっても穏やかな雰囲気の方でした)、私の時まで安心です。最近は火葬だけという格安プランも葬儀社各社から出てきていて、葬儀の価格破壊を宣言した黒江社長のあとを各社が追従している感じすらありますけれども、最初から最後まで(というかその後の遺族のことまで含めて)心をこめて心配のない形で送ってあげようという暖かい志を持った「熱血派おくりびと」黒江社長にかなう人はいないかな?と。Ayaさん自身納棺のとき涙ぽろぽろだったのですが、社長も一緒に泣いて下さっていたのしっかり見届けて後で私に報告してくれました。私は悲しくて悲しくてそれどころではなかったけれど、それをあとから聞かされてとても嬉しかったです…そんな葬儀屋さんってあまりいないのではないでしょうか?志あるかたに送られて母も幸せだったと思います。
お葬儀って言うまでもなくそれなりにお金が掛かります。地方にもよりましょうが、昔は200-300万なんて結構普通でした。世界で一番、葬儀にお金をかけている国が日本だそうで…僧職へのお礼とか戒名料とか除いても、最近の統計で120-130万円という統計(統計により若干異なりますが)。変な比較かもしれませんが、そこそこの結婚式ならできそうな金額。結婚式ならば「ちょっとここは削って、お色直しを少なくしよう」とか、「お料理はこのコースで」って冷静かつシビアに考えられるのに、お葬式になると動転と悲しみのなかで頭もいっぱいで「おまかせします」って言ってしまいがちなのも危険なのだと思います。我が家の場合は、葬儀〜火葬、あと飾り、食事、神父様へのお礼すべていれて、最近の統計の半分位?それで心こめて立派に母を送ることができました。本来あるべき黒江社長&御子息の県外出張費などは請求せず、棺もアップグレードしたものにしていただいたり、黒江社長も列席するつもりで、多少?いえかなり?お友達割引をしていただいたのでは?など思ったりしますが…
我が家が心残りないHappyな?お葬儀を出せたのには少し理由があったように思います。年末の忙しいときに縁起でもないと怒られるかもしれませんが、暇ができたときにでもご参考になさってください(内容が内容だけに、お正月前にアップしようと努力しております)。
①故人が洗礼をうけてくれていてキリスト教式で行えたこと(戒名料は不要、我が家が包めた神父様へのお礼は僧職の数分の1くらい?です。それでも長年の介護をしっていた神父様、「大丈夫なの?」とはじめ受け取るのを躊躇っていてくださいました)。そんなふうに思ってくださっている神父様に送っていただいたことを改めて感謝しました。余談ですが、ご近所でお母様を家族葬で送られた方から「戒名は日本独自のもの」と伺いました。
②以前から「あおい式典」黒江社長と知り合っていて(はじめてお会いしたとき、たしか関内で4時まで話して飲んだ記憶)、母がどんな人がらか、私にとってどれほど素晴らしい母だったか、などなどいろんなことを話して、こんなお葬儀ができたら良いなぁ〜というイメージが事前にきちんと伝わっていたこと。こんなふうにしたら良いよというアドバイスもいただいていたこと。
③父方親戚が全員高齢化していて、弔問にこられないかわり、なれないキリスト教式にたいしても口を挟まないで自由にすることを許してくれたこと。
④家で出せたこと。
そこでつくづく思ったのは、葬儀について冷静に考えられる時に事前にきちんと準備しておくことの大事さでした。縁起でもない!とか、不謹慎だ!などと言わずに、特に介護をしている方はもちろん、そろっと中高年にさしかかったら自分自身についても色々と考え周りとも相談しておくのが良いと思います。さらに兄弟姉妹がいらっしゃる場合は葬儀の形式、花の数など分担などでもめないように、できるだけ早く話し合っておくことをおすすめしたいです。幸か不幸か私は全て一馬力(+Ayaさん)ですから、もめることはなかったですけれども…
例えば故人は小さな葬儀を望んで近親者だけで…と遺言していても、残された家族や親族はその後の付き合いや、周りの目線を気にして「盛大にしたい」というときもあるでしょうし、長年介護でつかれはてていて、そっと静かに最低限で見送りたいと喪主が願っていても「それじゃぁ寂しすぎる」と親族から横槍がはいったり、故人は盛大に見送って欲しいと思っていても、遺族の希望はそうではなったり、日頃顔をあわせていない(そしてお互いに色々な想いがある)親戚が一同に会するのですから、葬儀の場での感情的行き違いとかしこりはもちろん、時には喧嘩という話すら聞いたことがあります。
前置きが長くなりました(まだまだ頭がしゃんとしておりません)けれど、やっと心残りない葬儀のコツという本題。我が家の心のこもったお葬儀の費用、葬儀〜火葬とあと飾り+お花代(喪主&弔問にこられなかった親戚分)+2日分の飲食代+神父さまのお礼まで含め、全国平均の半分以下?の費用だったかと思います。どうしてそれでご近所の方に感心されるような正式な良い葬儀ができたか?ということなのですが…これには少しコツというか留意点があるので忘れないうちに以下に書いておきたいと思います。
1.故人の意向をなによりも大切にして、見栄や「世間並み(って何?という感じですが、これは絶対に葬儀社に言ってはいけない言葉だそうです)」にこだわらず、ゆっくりと穏やかに故人を偲び、本当に大切に思ってくれる人に、喜んでご出席いただいて満足してかえっていただけるような配慮を一番にしたら良いのではないかと思います。そのためにはやはり事前の話し合いがどうしても必要です。特に兄弟姉妹・親戚など関係者が多ければ多いほど、もめる危険性がありますから、事前に話し合いをしておいたほうが良いように思います。ある程度プランが決まったら葬儀社と相談することも良いかもしれません。本当は、故人が自分で「こんなふうにして欲しい」ということを、身近な方や親戚に常日頃から言っておくとか、遺言に残すとかしておくと一番よいと思いますが(そうすれば、故人の意思ということで、周囲の方の理解が得やすくなります)高齢者の場合、なかなかそうはいきませんし、本人に聞くなんて酷ですし。
2.葬儀については、どうしても自分たちではできないところだけをきちんと見極めて、葬儀社に依頼しましょう。黒江社長は数社から見積をとることをブログですすめていらっしゃいますけれど、実際はそんなゆとりがないことも多々あるかと思います。今はインターネットで情報が得られることも多いですから、調べてみても良いでしょう。これも事前に相談しておけば、見積もとっておくことができるかと思います。いろんなパックもありますが、料金が不透明になりがちですから、あおい式典のように、個々に見積もってくださるところの方が良いと思います。何よりもそのほうが、故人らしさのあるお葬儀ができるように思います(個々にクリアーな見積もりがあれば、ここはこれに…といった細かな変更もお願いしやすいですし)。
3.斎場をつかう場合、葬儀社のものをつかうとどうしても高額になりがちです(たとえ無料といっても、諸経費がほかのものに乗せられていたり、別途請求されたりすることが多いため)。黒江社長から以前、公営の斎場だとかなりリーズナブルと伺いました。また火葬場に隣接していますから霊柩車で搬送しない分、費用を抑えることができるらしいです。我が家の場合は自宅でしましたが、ホームからの寝台車、霊柩車代はそれなりにかかりました。でも連れて帰ってきたかったのでよかったと思っています。霊柩車も色々な種類があるようですが、豪華な霊柩車が本当に必要かどうか?形にこだわるよりもむしろ心をこめて故人を送ることができるほうが大事だと思います(黒江社長のおかげで私の場合は無駄な費用はかけず、かつそれなりの形で心のこもった葬儀ができました)。ちなみに、火葬場に行くのって、本当はすごく嫌で悲しかったのですけれど、霊柩車のドライバーさん、とても聞き上手な方で私はずっと色々な話をしていました。泣いたり笑ったりしながらだったですが…プロだなぁ〜と思いました。私自身、精神保健・心理関係の専門資格を複数持っておりますが、彼にはすっかり脱帽。
4.これは2.3.とも関連するのですが、何が自分たちでできて、何はお願いしないとダメかという見極めが大事だと思います。
①我が家の場合は、返戻品については当日ではなくあとでゆっくり考えることにして、当日は親しい方々と母を偲ぶことを第一にしました。実はこれまで頂いて「いいなぁ」と思う返戻品が殆どなかったという経験もあるからですが。こうしたものをすぐに揃えるのは無理なので、葬儀社にお願いすることになるかと思いますけれど、よっぽど大規模なお葬儀でないかぎり、その日に返して(一定金額以上でなければ)それで終わりというのは合理的で手間が省けるとはいえ、個人的には寂しい感じがします。なによりも葬儀社のカタログから選ぶよりも、自分で選んだ方が選択肢が広いですし、故人の気持ちにそえるかも?とも。同じ金額をいただいた場合でも生前のお付き合いによってお返しする変わってくる可能性もありますし…今はインターネットでもしらべられますしネットで注文もできます(添状もお願いできます)。引き出物&返礼品をあつかうネットショップも沢山ありますから、故人のかわりに感謝の気持ちとともに「あの方にはこれがいいかも」と喪主が選ぶと、故人が喜ぶのではないかと思います。とはいえ、なかなか趣味が合わないこともあるので、難しいとは思いますが。私自身は、カタログギフトを考えております。カタログギフトっていただいても私自身注文を忘れたり、面倒をおかけしてしまうとは思うのですが、やはり好きなものをえらんでいただきたいですし。カタログギフトも今はいろいろあり品物や食料品だけではなく陶芸体験とか、エステとかまで入ったものもありますので(Ayaさんは「やりたいことがありすぎて選びきれないから何冊か欲しい〜」と希望)、葬儀社の選択肢に合わせるよりも、ちょっと時間と手間はかかりますけれど故人が希望するような形がよいなぁと…
②葬儀社の斎場だと指定業者がいて無理かもしれませんが、自宅でしたので好きな仕出し屋さんから注文することができました。何人いらしてくださるかわかりませんし、その場で召し上がる方と持ち帰られる方(田舎だと結構ありです)がわからなかったので、横浜で老舗&母とも行ったことのある仕出し&レストランの「相生」に盛り合わせのお料理とご飯の組み合わせで、2段のお弁当形式。2日とも同じお料理でした。もし足りなければAyaさんと私は食べなくてもよいと少なめの数を頼んだのですが、前夜式はぴったりの数、告別式は余ってしまった分を黒江社長にお持ち帰りいただいたのですが、帰社後さっそく「うまいっ!これ美味しいよ!」とお電話いただきました。「相生」は大きい仕出し屋さんなので当日にお願いできるという良さがあってお願いしたのですけれど、たしかに前よりも味がよくなっていた感じ(横浜で大きな会合などがあると、かなりの確率で「相生」のお弁当が出てきますし、法事などでも使われていますのでよく知って、前は「また相生?」という感じでちょっと心配だったのですけれど)。そのほかの形としては故人が好きだったレストランで精進落としというのもひとつの方法だと思います。斎場でのお食事ってあまり美味しい!って思ったことがない感じがしませんか?まぁ美味しいものを期待してゆくわけではないですし、関係によっては悲しくて味もろくにわからないときすらありますが、それでも、価格と質が見合っていないと感じます。我が家の父の時は家業もあり列席者数百人という大規模な社葬でしたが、斎場で食事は頼まず本葬のあとの精進落としは山下公園近くのホテル宴会場でしました(密葬はやはり自宅でしました)。1周忌に山手駅ちかくにある手作りのケーキ屋さんで“In Memory of 〜”というプレートの入ったメモリアルケーキを作って頂いてお渡ししたのですが、これもみなさまから喜ばれました。面倒だと思われるかもしれませんが、故人らしい形が一番亡くなった本人も参列された方もよろこんでくださるように思います。御通夜〜告別式まで何人いらして下さるかが読めないという状況での手配は大変です。以前、列席させて頂いて感心したのは、ある斎場でのお式。遺影が飾られた中央のすぐ後ろからメインがビュッフェ形式で並べられていて、壁際に飲み物やデザートが並んでいる形の「通夜振舞い」でした。あまり知らない方や久しぶりに合う方と同じテーブルで遠慮しながら分け合って食べるって結構気をつかうものですし、また体調や好みなどで、あまり食べられないものをすすめられてもこまります。その点で好きなものを好きなだけ遠慮なく食べていただけるスタイル…今でもちょっと心に残っています。ちなみにそのときテーブルには前菜とビールとソフトドリンクのみでした。
③最近は少子高齢化、家族単位の矮小化、お付き合いの変化などによって、故人が高齢の場合、参列者の数も限られてきます。我が家の場合、マイクロバスだと大きすぎますし、また神父さまの送迎や用足しにも使いたかったので、マイクロバスは不要という形でレンタカーを3日間借り切りました(駐車場は近所のコインパーキング利用)。高齢者になれば友人・知人も既に先立っていることが多いですし、また列席していただいても特に火葬場までいってくださる方の人数は限られています。10名くらいかそれ以下でしたら自家用車かレンタカーでも十分だと思います。駐車場もありますし車はあおい式典のかたが全て手配して、きちんと駐車&配車までしていただきました。
それにしても火葬場にゆくって嫌で納棺に続いて悲しかったです。でも、横浜市営南部斎場(スケジュール的に久保山が取れず…)とても綺麗でした。待合室をとるとかえって寂しいくらいの人数ですから、黒江社長のアドバイスでロビーで待たせていただいたのですけれど、ホテルのロビーのような立派な設備で十分でした(むしろ待合室みたいな方で待つ方がいやだったかも?)。持ってきたお菓子やお弁当もそこでゆっくりと話をしながらいただくことができましたし。私たちも少ないのですが、私たちの近くで一人でじっとお待ちになっていて呼ばれてゆくかたをAyaさんが見つけて「切ないだろうね…」ってポツリと気遣っていました。でもこれからはそうした時代なのだろうと思います。だからこそ、お葬儀のあり方も自分で考えておく必要がある時代なのではないでしょうか?白洲次郎のように「葬式不要、戒名不要」と言い切れる方はともかく…
by Hannah
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